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コラム

第11回 アンテナ
   

 先頃、日本水連は選手の茶髪、ピアス、華美なネイルアートを禁止し、違反すると出場停止処分等のペナルティを課すという方針を発表した。伝統様式を重んじる必要のある大相撲ならともかく、競泳選手の頭髪が何色であろうと構わないと私などは思うが、連盟の重鎮のイメージにそぐわないものは排除する方向でまとまったのだろう。果たして今の若者が納得するのか心配だ。


 考えてみると日本の教育は人と違う事を善しとせず、いやな事、苦手な事を忍耐と努力と根性で克服するのを善しとするようなところがある。歴史を見ても庶民は何があっても辛抱し、ただひたすら勤勉に働くべしとされてきた。娯楽といえば年に一度の祭りで多少羽目をはずすのが許された程度で、日常は黙々と働きながらも食うや食わずの我慢の日々であった。


 今日においても様々な教育現場でこの体質が根強く残っていて、それが個性的才能の芽をつんでいる感がある。「いやな事はせず、楽しい事だけをしなさい」とは学校も会社もなかなか言ってくれない。 いやな事を我慢してするように強要されるストレスから精神を病む若者も少なくない。法に触れず人に迷惑をかけない範囲なら、面白い事、楽しい事だけして生きて行けば良いじゃないか。いや、生きていくために必要な全ての事を楽しいと思える人こそ幸せではないか。


 先ず自分の人生を楽しむという基軸の上で、自由で明るく前向きな発想が生まれ、その実践が周りの人を楽しませ、結果として社会に貢献することではないか。自分を犠牲にして忸怩たる思いの人や、自分が楽しむ事をあきらめた人は、結果的には社会の役にも立っていないのではないか。


 先日、滋賀県長浜ドームでの「びわ湖環境ビジネスメッセ」に行った。このイベントには定点観察的に毎年出向いているが、ややマンネリというか、ざっと見ただけでは目新しいものは感じられない。イベントなんだからもう少しキャッチーなものが無いと…と思って歩いていると圧倒的にキャッチーな人を見つけたので写真で紹介します。kikito事務局(湖東地域材循環システム協議会)の方で、「木の削りかす」で造った花飾りを髪に飾っています。木という資源の可能性を遊び心たっぷりにパーフォーマンスしていました。企画から実行まで何人もの人が喧々諤々会議を重ね、協力し合った産物とすれば何とも微笑ましいし、好感が持てる組織です。


 入口が楽しくないと何も始まらない。

 

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