アポロ11号が月面着陸したとき、今頃(2012年)は月に人が住んでいると考えた人も多いのではないか。
技術や文明の進歩というのは、黎明期のある時期、飛躍的に発展する。ある地点での厄介な問題をクリアした途端に、ちょうどジェット機が離陸する前のようにグイーンと加速がつく感じで、アッという間に、少し前までは到底無理かとあきらめていたような事が可能になったりする。その勢いが続くと将来どこまで行くのか、想像もつかないすごい事になるのかと思うが、多くの場合、勢いは続かず、他の新たな文明に埋没してしまう。
スマートフォンなど、一昔前には考えられなかった画期的なものはできたが、昔からあるものは、最近のものほどデキが悪くなっている気がする。何度も同じものを購入して、同じように使用して何の問題も起こらなかったのに、ここ数年で、油が漏れるなどの問題が生じた、市販されている機械部品が3つあった。
すべて異なる日本の大手メーカーの、産業機械に使用する違う種類のパーツだ。当初は、組み付け方に問題があるとか、異物が混入したとか、すったもんだとメーカーとやり合ったりしたが、この頃はまたか…という感じである。同じ商品で、構造も形も同じなのに、かつては無かった不具合を起こす。憶測の域は出ないが、製造過程でのコストダウンが原因のような気がする。
新しいものを生み出しても、今までできた事ができなくなっては、進歩どころか退化にすらなりかねない。今ある技術を大事にしなければ、未来は拓けない。
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