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コラム

第8回 カタストロフィー債
   

 カタストロフィー債という商品があるそうで、何でも地震や水害等の災害や、テロによる被害に関するものもあるそうだ。保険会社のヘッジとなる資金で、利廻りは10%以上もあるらしい。


 お金というのは動いてこそ機能するもので、例えば1万円札を1枚タンスの引出しに入れておいても何の役にも立たない…という事もない。
 それはそこに1万円が確実にあり、いつでも1万円分の商品を購入できるという安心をその所有者にもたらしている。しかし、その1万円が人から人へと動いて行かない事には社会的にはその価値を発揮していない事になる。


 100人の手から手へと渡れば、100万円のパフォーマンスをした事になる。まさに「金は天下の回りもの」という事で、皆さんも手持ちのお金は滞ることなくどんどん使いましょう。…と言っても、やっぱりそうもいかないのが現実で、使った分だけ入って来るなら誰しもそうしたいでしょうが、そんな保証はどこにもない。社会全体をマクロにとらえると、みんながお金をどんどん使って、お金が人から人へどんどん流れて、経済が活性化し、景気が良くなって「めでたしめでたし」なんですが、自分の所だけ素通りされたらどうしようという不安がつきまとうので、使ってまた入って来る事を期待するよりも、大切にキープしておくことを選択する人も多いことでしょう。


 人々が必要な物、欲しい物やサービスを次々にどんどん購入して行って、その結果マネーがどんどん流れて景気が良くなることが理想なんですが、なかなかそううまくは流れない。そこで欲と道づれということで高利廻りの金融商品を作って資金を集め、その資金を運用して利益を生みだすという素人にはちょっと解り難い構図がある訳です。


 解り難い金融商品がたくさんある訳ですが、例のサブプライムローン問題以来、さすがにちょっと警戒心も強くなって資金が集まり難い感じがあったんでしょうが、カタストロフィー債というのは、災害等が起こらなければ高利回りが約束されるという解り易さもあって、かなりの人気だそうです。各々の災害等のリスクを科学的に予測して商品化するそうで、学術にたけた研究者が野球賭博のハンデ師みたいなことをして金を集めるので、妖しいギャンブルのニオイがただようブラックマーケットの世界って感じすらするのですが、世界経済はこれで良いんでしょうか。


 『真実さえカネで買える 確かめろよ 疑惑の目で


  悲しみさえカネに換えて 笑えるなら 笑えばいい』
  ( Black Market Blues by 9mm Parabellum Bullet )


善良な市民は、夏、暑い暑いと言いながらも西瓜を食べて、ビールを呑んで、花火見て、1万円の使い道を考えながらウトウトまどろんで眠ればまぁまぁ満足。

 

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